犬の体は「たんぱく質」でできている!健康を支える”主役の栄養素”

食と健康

こんにちは! 
「アメリカ犬暮らしガイド」犬の管理栄養士 “たえか” です。
愛犬がハッピーに暮らせるように、食と健康のお話を中心にロサンゼルスからお届けしています。

前回は「水」についてお話ししました。
今回は犬の体づくりに欠かせない「たんぱく質」についてお伝えします。

筋肉、毛、皮膚、内臓、そしてホルモンや酵素まで…
実は犬の体のほとんどが「たんぱく質」からできています。つまり、「たんぱく質」が不足すると、元気も毛のなくなってしまうってことなんです。「良質なたんぱく質をあたえたいけど、どんなフードを選べばいいの?」「シニア犬や腎臓が弱い子はどうしたらいい?」

たんぱく質の特徴や働き、フードを選ぶときの注意点などをお話ししていきます。

犬の体を支える「たんぱく質」ってどんな栄養素?

三大栄養素の一つ「たんぱく質」は、筋肉・皮膚・被毛・骨・爪・ホルモン・酵素など、犬の体のあらゆる部分を作るうえで一番大切な栄養素です。

たんぱく質は、アミノ酸という小さな栄養素がいくつもつながってできているんです。
アミノ酸はたんぱく質の“積み木”のようなもので、体のあらゆる組織や働きを支えています。

犬に必要なアミノ酸は22種類あり、その中の「必須アミノ酸」と呼ばれる10種類は体の中で作ることができないので、フードやおやつからとる必要があるんです。

不足すると、筋肉量が減ったり、毛のツヤが悪くなったり、免疫力が落ちて傷の治りが遅くなるなど、さまざまな不調が出やすくなってしまうのです。

どんなによいフードでも、アミノ酸が足りていなければ、健康な体はうまく作れないんです。
質のよいたんぱく質をしっかりとることは、愛犬の「元気に長生き」につながりますね。

良質なタンパク質とは?

質のよいたんぱく質とは、消化吸収がよくて、バランスのよいアミノ酸がふくまれているものなんです。

たとえば….

  • 動物性たんぱく質:Chicken、Fish(Cod・Halibut・Salmon…)、Eggなど
     →消化吸収率が高いので、犬の体にしっかりと届けらる
  • 植物生たんぱく質:Chickpeas、Soybeansなど
     →犬は動物性たんぱく質の消化は得意なので補助として使うのがおすすめ 

フードを選ぶときには、含まれるたんぱく質の量はもちろん大切なんですが、おすすめできない、なるべく避けたいたんぱく質の原材料もあるんです。

たとえば….

  • by-products” “meals
  • Meat meal” “Bone meal” 
  • Animal fat” “Generic fat

これらは、動物の肉・皮・骨などの副産物です。本来は、高たんぱく質なもので体によいものなのですが、食肉用として安全でない品質のものを加熱処理後にパウダー状にして使われていることもあるんです。
ちゃんと、どの部位のものを使用しているのかが、具体的にちゃんと記載されているフードを選んであげたいですね。
フードの裏面に記載されている原材料表記”Ingredients”をチェックしてみましょう。

たんぱく質の量はどのくらい?注意したいポイント

肉食動物を祖先にもつ犬は雑食よりの“肉食動物“です。なので、たんぱく質の消化は得意なんです。
現在では、フードやおやつで穀物を食べることも多くなってきているので、祖先と比べて消化機能にも変化が出てきているのかも…という話も耳にしますが、たんぱく質が大切だということは変わりません。

  • 成犬:およそ25%〜30%
    毎日の活動や筋肉の維持に大切
  • 成長期・妊娠期:およそ30%以上(成犬より少し多め)
    体づくりの真っ最中。とても大切
  • シニア犬・腎臓ケア中:およそ18%〜25%
    負担を減らしつつ、筋肉を守るバランスが大切 

これはあくまでも目安です。
犬に必要なたんぱく質の量は、犬種・年齢・体重・体調・活動量によっても変わってくるんです。
腎臓ケア中の子、数値が気になるときはかかりつけ医に相談してくださいね。

目で見てわかる!たんぱく質の不足のサイン

こんなときは「体を作る材料(たんぱく質)」が足りてないサインかも!

  • 毛がパサパサしている、毛のツヤが良くない、いつもより毛が抜けやすい(初期のSOS)
  • 皮ふがカサカサしている
  • 感染症になりやすい (免疫力が下がるので感染リスクが高くなる)
  • 歯茎の色が白っぽくなる (血液が作られる機能が下がるので貧血になることも)
  • 元気がない (基礎代謝が下がるので、エネルギーの消費量が減ってしまいます)
  • 体重が健康的に増えない (筋肉量が減少すると脂肪がついて太りやすくなることも)
  • 平均よりも体が小さい(成長期)(成長に影響がでているのかも)

たんぱく質は筋肉→内臓→骨→血液 そして最後に皮ふ→被毛と補給されていくんです。
なので“毛のツヤ”は、目で見て真っ先に気づく“たんぱく質不足のサイン”といえますね。
不足する =「体をつくる材料が足りなくなる」
フードのトッピングやおやつに、ゆでた鶏ささみやむね肉などを足してあげるのもよいですね。

まとめ

今日からできること!
フードを選ぶときは「どんなたんぱく質が使われているか?」をチェックしてみましょう。
たんぱく質は、犬の体と心の健康を支える大切な「主役の栄養素」です。
愛犬の「元気に長生き」健康寿命を伸ばす一歩になるはずです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
愛犬とのハッピーライフのヒントにしてもらえればうれしいです。

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