犬の体を支える“脂質” / 摂りすぎ・不足を防ぐために大切な知識

食と健康

こんにちは! 「アメリカ犬暮らしガイド」 犬の管理栄養士 “たえか”です。
愛犬がハッピーに暮らせるように、食と健康のお話を中心にロサンゼルスからお届けしています。

愛犬のフードを選ぶとき、パッケージに表記されている 「Crude Fat(脂肪分)」 の “〇〇%” をチェックしている飼い主さんも多いと思います。わたしもその一人です。
脂質=太る」 というイメージが強くって “控えたほうがいいよね…” と、なんとなく “低脂肪”のものを選んでいませんか?

でも、実は “脂質” は犬にとって 「最も効率のよいエネルギー源」 であり、健康を維持するために欠かせない大切な栄養素の一つなんです。不足しても、摂りすぎても、体のバランスは崩れてしまいます。

今日は、三大栄養素のひとつである “脂質”」について、知っているようで知らない脂質の役割と、アメリカでのフード選びに役立つことをご紹介します

犬にとっての必要な脂質 「3つの大きな役割」

犬にとって脂質は、単なるエネルギー源だけではないんです。体の中で主に3つの大切な働きをしています。

  1. 効率のよいエネルギー源 
    “脂質” は、タンパク質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを持っています。少ない量でもしっかりパワーを補給し、日々の活動を支えてくれます。
  2. 皮膚と被毛の健康を保つ
    皮膚のバリア機能を維持し、毛にツヤを与えます。不足すると皮膚が乾燥してカサカサになり、毛もパサついてしまいます。
  3. ビタミンの吸収を助ける
    脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は、油に溶けることで体に吸収されます。つまり、油がないとこれらの大事な栄養を体に摂り込むことができないのです。

摂りすぎと不足、どっちが怖い?

脂質は「バランス」がすべてです。どちらに偏っても体にトラブルが起きてしまいます。

状態起こりやすいトラブル
摂りすぎ体重増加
消化不良による下痢
体質によっては膵臓への負担(膵炎)
不足皮膚の乾燥・痒み
被毛のパサつき・ツヤがなくなる
元気がなく疲れやすい
免疫力の低下、繁殖機能の低下

特に、もともとお腹が弱い子や、シニア犬で代謝が落ちている子の場合は、脂質の量に注意が必要なんです。
すぐに病気になるわけではありませんが、
「なんとなく調子が悪そう」というサインとして現れることもあります。

大切なのは「多い・少ない」ではなく、ちょうどいいバランスです。

アメリカのフード選びでチェックしたい「Crude Fat」

アメリカでドッグフードを選ぶときに、パッケージの「Guaranteed Analysis(保証成分分析)」という項目をチェックしてみてください。そこに「Crude Fat(脂肪分)」という表記があります。

  • 一般的な成犬用: およそ 12% 〜 18% 程度
  • ダイエット用・シニア用: 10% 以下 のものが多い
  • パピー用・活動犬用: 20% 以上 に設定されていることも

ここを見ることで、脂質の目安を知ることがで来ますが、数字に振り回されることなく、愛犬の活動量や年齢に合わせて選ぶことが大切です。

  • 年齢(子犬・成犬・シニア犬)
  • 体格や運動量
  • 体質や持病の有無

これらを考慮して、「その子に合っているか」を見ることが大切です。
また、おやつの脂質も1日の摂取量の一として考えてあげましょう。

うちの子はのんびりタイプ、あまり高脂肪なものを選ばないように気をつけています。

犬の管理栄養士が伝えたい「オメガ脂肪酸」のバランス

脂質の「量」と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「質のよい油」です。アメリカのフード選びでキーワードになるのが、“オメガ3脂肪酸”と“オメガ6脂肪酸”という2つの脂肪酸です。

  • オメガ3(DHA・EPAなど): 体の炎症を抑え、脳や心臓の健康をサポートします。
  • オメガ6(リノール酸など): 皮膚・被毛の健康維持に必要ですが、摂りすぎると体の中で炎症を起こしやすくなります。

どちらも必要ですが、偏りすぎないことが大切です。

魚由来の脂質や、質の良い動物性脂肪をバランスよく取り入れることで、
体にやさしい脂質の摂り方につながります。

愛犬の元気で長生きのことを考えると、“太らせたくない”って思いますよね。
でも “脂質”を怖がりすぎてしまうと、必要なエネルギーまで不足してしまうこともあるんです。

大切なのは、減らすことではなく、合った量を知ること。
愛犬の様子をよく観察しながら、少しずつ調整していくことが、いちばんの近道だと感じています。

今日からできる!「質のよい油」を保つコツ

  1. 「酸化」を防ぐのが鉄則!
    油は空気に触れると「酸化」し、体に害を及ぼす物質に変わってしまうんです。
    ドッグフードを開封したら、1ヶ月以内に使い切るのが理想です。
  2. 保存場所に気をつける
    ロサンゼルスのような暖かい地域では、ガレージなどにフードを置くのはNG。
    直射日光が当たらない、涼しい室内で保管しましょう。
  3. トッピングで補う
    もし愛犬の毛並みが気になるなら、新鮮なフィッシュオイルを数滴垂らしてあげるのも一つの手です。
    「犬用」として販売されている新鮮なものをお勧めします。

脂質を味方につけて、内側から健康に

「太るから」と遠ざけるのではなく、「質の良いものを、適切な量」 を摂ることで、愛犬の皮膚はもっと健やかに、毛並みはもっとツヤツヤになります。

フードを買いに行くときは、ぜひ裏面“Crude Fat(脂肪分)” “Ingredients(原材料)のオイルの種類」 チェックしてみてくださいね。

迷ったときは、愛犬の様子をよく見てみてください。
必要であれば主治医に相談することも選択肢のひとつです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
愛犬とのハッピーライフのヒントにしてもらえればうれしいです。

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